「食中毒」の原因と、「食中毒」を防ぐさまざまな方法

 北海道大学名誉教授・日本食品分析センター顧問
一色賢司

2025年12月11日更新

味の素株式会社様は、食の専門家の方々に「食の安全」に関する話しをうかがい、ホームページ上で広く発信しております。

一色委員長が食中毒の原因や家庭での予防方法、さらには食品工場などで行われている取り組みについて解説しておりますので、ぜひ、ご一読ください。

※味の素株式会社様のホームページにリンクします

わが国の食中毒は、明確に定義されていません。食中毒統計に採用されているものが、食中毒だと考えることもできます。ご存じのように、食品に起因する、あるいは食品が媒介する健康への悪影響は食中毒だけではありません。暴飲暴食や栄養失調は含みませんが、これらは食性病害と呼ばれています。食中毒統計に乗らない食性病害は、たくさんあります。

暑かった夏が終わり、短い秋も去り、冬が来ました。例年、冬が来るとノロウイルス食中毒などが増加します。吐き気や下痢の症状があっても、病院に行かない方もいます。病院で診察を受けても、検査もされずに整腸剤を処方される方もいます。保健所には連絡されない例数は、多いと思われます。食中毒統計は、水面上に出た氷山の一角を見える範囲で数えたものと捉えて対策に取り組んでいただきたいと思います。

食品は衛生的であり、なおかつ品質が保証されなければなりません。さらに、消費者に食品は生物由来であることなどを理解していただく努力も必要です。外観が重視され、容器包装等の技術も進んでいます。フードチェーンを正確に理解している消費者は減少しているのではと心配されます。

賢い消費者が増えれば、フードチェーンの各担当者のお仕事も楽になると思われます。食中毒ならびに食性病害を減らすには、消費者、すなわち国民全員のフードチェーンへの理解を向上させることが必要です。言い換えれば、自身がフードチェーンの一部であるという自分事と気付いていただく努力も求められていると思われます。「いただきます」を大切に伝えて欲しいと願っています。